引染めは、染料をつけた刷毛を引いて布を染めていく技法で、染めない部分を作るための防染方法に型を置いて行う「型糊置き」と、筒袋に糊を入れて手書きで防染糊を置く「筒引き」があります。色鮮やかで細かい模様が入る郷土芸能衣装などは引染めで製作します。
糊置(のりおき)
引染めの糊置きは「型糊置き」と「筒引き」の2種類があります。
筒引きは特に、大きな神社幟や紋幕の作成時に使われます。糊を置いた後は、糊の上におが屑をかけ、粘着性があって柔らかい状態の防染糊が他へ移るのを防ぎ、防染糊の表面を保護します。
<型糊置き>
生地を台に貼り付け、その上に型を乗せ、染めない部分に防染糊を置いていく技法
<筒引き>
下絵の描かれた生地を浮かせ、筒袋を手で絞りながら直接糊を引いていく技法
染め
調合した染料を含ませた刷毛で、色鮮やかにむらなく染めます。染め終わったら固着剤(色止め剤)を塗り、一定時間置いて乾燥させます。
水洗い
染めた後は真水で洗い、生地の両面にブラシをかけ糊を落とします。 その後自動水洗機で水洗いし、更に手洗いで仕上げ洗いをして余分な染料を充分に落とします。
乾燥
水洗いが終わったら、日光による天日干しを行います。梅雨の時期など天候が不順な時期は、お急ぎものに限り室内で乾燥させることもございます。